AAR Japan[難民を助ける会](特定非営利活動法人難民を助ける会)は、1979年に 日本で生まれた国際NGOです。そしてその創設者は一人の女性でした。 (相馬雪香(そうま ゆきか)氏=議会政治の父と言われた尾崎行雄の三女)
日本人はそもそも助け合いの精神を持つ国民ですが、当時は一般の方にははまだ他国の人を助ける意識、何より方法もそれほど無かった時代でした。 そのような中、日本の善意の伝統を世界にも示そうと、インドシナの難民の為に 日本人に呼びかけ、たくさんの支援を集めたことがAAR Japanのスタートでした。
それからも世界中の支援が必要な場所や人に日本からの思いを届け、紛争や災害時の緊急支援や難民支援、地雷対策、障がい者支援などの活動を続け、来年で創立40年を迎えます。その間に、AAR Japanが主要メンバーである地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)がノーベル平和賞を共同受賞(1997年)するなど、数々の国際協力への賞を頂いています。
AAR Japanの原点は、支援活動を通じて海外の難民を助けるだけでなく、日本を世界の孤児にしない、その為に日本の社会にも国際協力の意識、また大きなうねりを起こすということでしたが、これはまさに現代のグローバルな世界情勢において、日本が大きな課題としていることではないでしょうか。
AAR Japanの数々の活動の中で、啓発活動のひとつとして、これまでに102回のチャリティコンサートを開催しています。今回40周年という節目の年に、コンサートの企画のお話を頂きました。AAR Japanの周年にふさわしく、これまでにご支援を頂いた方々への深い感謝の気持ちを込めて皆様に喜んで頂けるものをということで、日本のクラシック界を代表し絶大な人気と実力を誇る2人のピアニスト、仲道郁代さんと金子三勇士さんによる初めての2台ピアノのデュオを企画させて頂きました。
11月13日(火)、赤坂の紀尾井ホールで、AAR Japan[難民を助ける会]主催、 日本ロレックス株式会社の特別協賛でのチャリティコンサートを開催しました。 当日はAAR Japanの支援者の方はじめ、たくさんのお客様がいらっしゃって、会場はほぼ満員になりました。
お2人の演奏も熱を帯び、2台のピアノの美しいメロディが重なり響きあう、大変素晴らしいプログラムとなりました。
第2部の最初に理事長の長(おさ)有紀枝さんがご挨拶されました。40年を振り返り、感謝と次の時代への決意をこめた素晴らしいスピーチでした。 また、第2部からは皇后陛下の行啓を頂くことができました。皇太子の時代から両陛下には会へのご支援を頂いていたとのことで、ご退位を控え公務で大変お忙しい中、皇后陛下の行啓を頂けたのは本当に光栄で嬉しいことでしたが、ひとえにこれまでの活動の意義、また、会長はじめ会の皆様が築きあげてこられたご関係によるものであると思います。
公演後、皇后陛下、また来場されたお客様からたくさんの「感動した」「素晴らしかった」とのお声を頂きました。今回、運営やお客様対応、募金活動もAAR Japanの皆様で行いましたが、公演の収益2,366,279円、募金は2,804,770円にもなり、併せて5,171,049円となりました。すべて難民や障がい者の方々などへの支援活動に活用させて頂きます。
今回、このような素晴らしい40周年のチャリティコンサートをご一緒に創らせて頂く機会を頂き、本当にAAR Japanの皆様に感謝しますとともに、
40年の長きにわたって日本を世界から孤立させないという信念で、まさにSDGsの精神である「地球上の誰一人として取り残さない」(leave no one behind)活動を続けてこられたことに、心からの敬意を表します。
(POZI サステナビリティ・プランナー 木村真理子)