「面白い取り組みをしている限界集落があるんですよ」POZIのサポーターである枝廣淳子先生のお誘いで、熊本県山都町にある水増集落を訪れたのは、2016年の8月。夏休みに田舎に帰るような気持ちでワクワクしながら、映像作家の奥村剛さんと、東京都市大学枝廣ゼミの夏合宿に同行させていただきました。
集落の共有地に誘致されたメガソーラーで発電された電気を売り、その収益で地域おこしをはじめた水増集落。美しい棚田やヤギパーク、そして幻の在来種大豆「八天狗」の畑などを案内していただき、たくさんの方の話を伺いました。人知れず受け継がれてきた八天狗の魅力を、里山の美しさや人のあたたかさとともに伝えたい。そして、多くの人に味わってほしい。そんな気持ちで、コミュニケーションのお手伝いをさせていただいています。
まずは、水増集落の空気をつめこんだような動画とウェブサイトを制作。そして、WEBマガジン「greenz.jp」で水増の取り組みを記事として発信しました。また、八天狗を味わっていただく場として、渋谷ヒカリエにあるd47食堂での定食展開のコーディネートをさせていただきました。
渋谷のど真ん中で、限界集落の素朴な定食はどう受け止められるのだろうかと、正直ドキドキしていたのですが、その不安は初日で吹き飛んでしまいました。「八天狗定食」は、定食を提供した１カ月間、ほぼ毎日完売という大人気定食に。
これが大人気となった「八天狗定食」！
お客さまからは、こんなうれしい声も。
「納豆を塩で食べると豆の味がよくわかっていいですね」
「こういうのを、待ってました、ヘルシーだし、
納豆だけど、この
値段分だけのものはある、と思います」 「納豆の糸が、すごい！くもの糸みたい、ふわふわ！」
「こんな納豆初めて食べました！」
「とりの汁がおいしかったです、心底あたたまりました」
水増ではこれからも八天狗の作付けを増やし、街から訪れる人たちを迎えるアイデアを実現していくそうです。八天狗にご興味がある企業や飲食店のみなさんは、ぜひご連絡ください。いっしょに、「幻」ではなく、「人気の」在来種大豆にしていきましょう！
（ POZIプランナー 丸原孝紀）
監修：枝廣淳子
クリエイティブ・ディレクション：丸原孝紀
アート・ディレクション：福島治
デザイン：阿部至
映像制作：奥村剛
ウェブディレクション：中村一也
ウェブデザイン：鹿又潤
イラスト：白井匠
撮影：佐竹英彦
