POZIでは、3月20日(水)から29日(金)まで、東急エージェンシー環境推進担当との共催で、企画展「“脱プラスチック”の最新動向とクライアントビジネス」を開催しました。(東急エージェンシー本社紅仙ビル1F・THE SPACEにて)
海のプラスチックごみをテーマとした企画展は、2017年の3月に続く2回目の開催です。前回と今回の間では社会の状況が大きく変わり、国内的にも国際的にも様々な対策や規制が検討されたり実施されたりするようになりましたので、それらの情報をアツプデートし、今後の暮らしやビジネスに役立てて行こうという趣旨での開催でした。パネル展示では、今年の6月に正式発表される予定の日本政府の「プラスチック資源循環戦略」が私たちのクライアントのビジネスにどのような影響を与えるかを考察したほか、SDGsの17ゴールとプラスチックごみ問題との関係についての解説も加え、プラスチックの問題が社会や経済の様々な側面と深いつながりを持っていることへの理解を促しました。
また会期半ばの3月26日には、前回の企画展の際と同様、NPO法人OWSの理事でネイチャーガイドの資格も持つPOZIプランナーの池上が、自身で撮影してきた写真を用いたスライドセミナーを開催しました。前回のセミナー開催時には、まだまだプラスチックごみの問題の存在自体が知られていませんでしたので、まずはOWSの調査団が撮影してきたミッドウェー環礁の美しい風景と貴重な生き物のご紹介から始め、その“楽園”を襲うプラスチックごみの写真をお見せすることで、「現在の世界にプラスチックごみ問題というものが存在していること」自体を理解してもらおうとしました。一方、今回は、既に「プラスチックごみ問題」そのものの存在は広く認識されるようになりましたので、東京近郊各所や対馬、沖縄など、日本の街なかや海岸で撮影してきた写真を中心に紹介し、この問題がより身近で、私たちの日々の暮らしやビジネスに直結したものであることを感じていただくことを目指しました。
セミナー終了後には、「日本の街なかや海岸のプラごみの現状を初めて知った。」という参加者の声を聞くことも出来ましたので、今回のセミナーが、この問題を自分自身の問題として捉え直す、良い契機になったのではないかといます。
プラスチックごみの問題は、日本では昨年(2018年)の夏ごろから急に話題になって大きく盛り上がりましたので、一般の人々の間ではまだまだ正確な理解が追い付いておらず、様々な誤解や偏見が、あたかも『隠され真実』であるかのように語られてしまう傾向があります。しかしこれは誰もが自分自身の眼で、容易に、その『問題の現場』を確認できる、本当に身近でリアルな“問題”です。偏った二次情報に振り回される前に、まずは『現場』を知り、自分自身の実体験に基づいて判断できるようになることが大切だと思いますので、POZIとしては今後も、そうした契機となる活動を続け、人々と生活とビジネスの持続可能性の向上に貢献して行きたいと考えています。
なお池上が理事兼ネイチャーガイドを務めるNPO法人OWSでは、2019年度以降も引き続き、三浦半島の干潟などでのプラスチックごみ回収の活動を続けて行きます。POZIのWEBサイトにも出来るだけご案内を載せていきたいと考えていますので、海洋汚染やプラスチックごみの問題や、あるいは海の生き物に関心のある方などの参加をお待ちしています。またリクエストがあれば、三浦半島以外でも、POZI独自で海洋・海岸ごみのセミナーや見学会なども開催可能です。どうぞお気軽にお声掛けください。
参考ウェブサイト:海の環境NPO法人OWS http://www.ows-npo.org/
(POZIプランナー 池上喜代壱)