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【寄稿コラム】思わぬ一言がママを追い詰める?知っておきたい意外なNGワード

この春まで東急エージェンシーの同僚としてPOZIのメンバーとも一緒に働いていた和氣春花さんが、日本ではまだあまり知られていない「乳幼児睡眠コンサルタント」として、本格的な活動を始められました。

少子化と核家族化とが進んでいる今の日本では、赤ちゃんの健康と、赤ちゃんを育てるご家族、とりわけ育児の中心とならざるを得ないお母さんのサポートは、とても重要な社会課題です。

そこで今回POZIでは、子育てに悩むお母さんとそのご家族のサポートに日々奮闘している和氣春花さんに、働くママの当事者として、そして赤ちゃんの睡眠の専門家として、二つの立場から、今、子育ての現場で起きていることや、子育てしやすい世の中を作るために必要なことなどについて、寄稿していただくことにしました。

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赤ちゃんの睡眠はママにとって死活問題。なぜなら、赤ちゃんが寝てくれないと自分も寝られないから。

毎日、授乳にオムツ替えに消毒に沐浴に…と追われている間にあっという間に1日が終わる。ふーっと息をつく暇もなく夜になり、2時間かけて寝かしつけ…そして2時間おきの夜泣き対応…私はいつ寝ればいいの?

これは実際に私が体験したことです。24時間、赤ちゃんの世話に追われてクタクタ…徹夜続きの広告代理店で働いてきた自慢の体力も赤ちゃんの前ではかないません。

そんなとき、夜泣きや寝かしつけの専門家の存在を知りました。乳幼児睡眠コンサルタントです。赤ちゃんの睡眠問題は月齢が解決してくれるものではない、いまできる解決方法があったのか!と光明が指す思いでした。それをきっかけに私も資格を取り、今では乳幼児睡眠コンサルタントとして、お子さんの睡眠に悩むママやパパを助ける仕事をしています。

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2年間で92人。これは2018年に国立成育医療研究センターが発表した出産後1年未満に自ら命を絶った母親の人数です。

幸せなはずの子育て。ですが、この数字からわかることは幸せばかりではないということ。最近では「ワンオペ育児」などという言葉もよく聞かれるようになりましたが、育児や家事の母親にかかる負担は非常に大きいのが現状です。

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そして、特に今現在はコロナ禍の中、ママ友や近所の先輩ママと情報交換することも、支援センターや児童館に行くこともできず、家の中で1人苦しんでいるママは増えているのではないでしょうか。

日本の子育ての大きな問題 パパの育児への参加度合い

ママたちが追い詰められてしまう理由の一つが「孤独」です。

日本の男性は仕事熱心で、残業時間の長い人が多いですよね。育児をする男性の年頃は、会社でもちょうど働き盛りの年頃だから、どうしても平日の育児はママに任せきりになってしまうご家庭が多いのだとは思います。

でもそうなることで、パパと子供の距離はどんどん開きます。そして子供はママじゃなきゃ泣くようになり、ママじゃなきゃ眠れないようになります。するとママたちは「私がやらなきゃ」「私しかできない」という誰にも相談できないプレッシャーの渦に入っていってしまうのです。

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だから私は企業の上層部に、もっともっと育休取得を勧めてほしいと思っています。それも2週間などではなく、最低3か月。パパが一定の期間、主体的に子育てに取り組むことによって、ママの指令の元に育児をする「お手伝い」から主体的に育児に取り組める「育児者」になることができ、ママだけが追い詰められない家庭環境を作ることができるようになると思います。

追い詰める側にならないために 知っておきたいNGワード

悩んでいるママたちは敏感です。

悪気はなかったのに!という言葉に傷ついてしまっていることもあります。でもそんなの、ママになったことがなければ分からないですよね。ついつい言ってしまうこともあると思います。

そこで、ここでは実際のママの声をもとに、“これを言われると傷つくかも!?”という言葉を紹介していきたいと思います。

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「母乳で育ててるの?」

ただ質問しているだけなのですが、この質問はNGです。

母乳は無理なく出せる人もいれば、十分な量が出なかったり、乳首が傷ついて飲ませられなかったりなど様々な事情があって母乳を出すことができない人もいます。そんな事情でミルクを使っている人が、母乳神話と言われるような母乳こそが栄養のある飲み物!母乳で育ててこそ母!という話を聞くと傷つきますよね。センシティブなママは、母乳で育てているかどうかという質問の行間にこの母乳神話を垣間見てしまうのです。

「帝王切開だったの?楽したね!」

お産はどれも命がけです。自然分娩でも無痛分娩でも帝王切開であっても、どんな手法であってもそれぞれにリスクはあって、どれも命がけです。特に帝王切開は手術なので、夜は痛くて寝返りもできず、翌日はトイレにいく訓練だけでも大変…という期間を乗り越えてきているのです。楽したね!なんて言われたら悲しいですよね。

「かわいそう」

「こんな暑いのにお外を歩いてかわいそう」「寒いのに裸足なんてかわいそう」「ネントレなんかしてかわいそう」街を歩いていると、いろんなかわいそうの言葉をかけられることがあります。用があるから外出しているのです。靴下履かせても脱いじゃうから裸足なのです。親子お互いのためにネントレしているのです。みんな理由があってやっています。

「こうすればいいのに」

「抱っこしてあげればいいのに」「おっぱい飲ませてあげればいいのに」「癇癪なんて無視しておけばいいのに」子供のことを誰よりも考えているのはママです。考えたうえで行動しているのに、安易にこうすればいいのに!と言われるとストレスに感じてしまいます。もちろん、アドバイスはありがたいですよ!言い方の問題かもしれませんね。

世の中が変わるのは簡単ではないけれど、ちょっとした一人の意識変化や声かけの変化で、傷ついて追い詰められてしまうママを一人でも少なくすることができるかもしれないと思います。

夜泣き/寝かしつけのお悩みは専門家に

ママたち、とくに0〜1歳児のママにとって、睡眠不足は非常に大きな悩みのタネです。睡眠によって脳のバッテリーが充電されるので、睡眠が不足していると思考能力も低下し、暗い気持ちになったり、ストレスが溜まりやすくなったりもします。

私自身、夜泣きや寝かしつけに悩んで眠れない時期がありました。そのときもっと早く、睡眠コンサルタントの存在を知っていたら、あんなに長い期間つらい思いをせずに済んだのに!と思います。

睡眠不足で追い詰められてしまうママを減らして、冒頭に触れたような悲しい出来事を減らすために、私ができることで力になりたいと思っています。

夜泣きや寝かしつけに専門家がいるというのは、まだまだ知られていません。だから、知らずに悩んでいるママを見かけたら、こういう人がいるよ!と声をかけていただきたいです。

■プロフィール

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乳幼児睡眠コンサルタント
和氣春花(ねんねママ)
夜泣き・寝かしつけの専門家。乳幼児の睡眠トラブルに関する相談・講座・執筆を行う。
YouTubeチャンネル「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」はチャンネル登録者数1.6万人を突破。

WEB:https://mominess.com/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCdcmZnjdRiU6uL7BKua8Bvw